旅の終わりは旅のはじまり

1.はじめに

「私、灯油ストーブが嫌いなんです」

いきなり、こんな話題で「あ!私もです!」と感じて下さった方は、どうかご連絡を。死ぬ前に一度お話ししてみたいです。

という訳で、私は灯油ストーブが嫌いで、札幌の極寒の冬でも家にある灯油ストーブを付けずに、霧吹きで水滴撒いたらダイヤモンドダストになるんじゃないかくらいの寒気に満ちた部屋で布団に包まっていたんです。そのせいで体に限界がきまして貴重な体験をすることになりました。

私のことをご存知の方はその節を察して頂いた事があるかと思いますが、私には自律神経を失調している疑いがありまして、よく睡眠障害や痙攣が発生します。更に幼い頃から、内臓が弱く、腹を下すのはしばしばあることでした。

ざっくり、こんな弱い人と寒い環境の条件を整えますと、どうなるか…


答えは凍死‼️

今流行ってますね、投資。

そっちじゃないっすよ⁉️

死んじゃう方Death!見返りなんてないTHE ENDです👻

低体温症って言うらしいですが。

突然氷が張った池に落ちたとかの場合は、急激に色々な事が変わって大変らしいですが、私の場合は、寒い室温と徐々に下がる体温、自律神経の不調、元来の内臓の弱さ、という合わせ技なので、ゆっくりジワジワ順番に体に反応が出てきたのだと思います。更に、ここ何年かの間に痛風発作、膝関節水腫、腎機能低下とやってきて慢性的になってきているので、いくつもステップがスキップされているだろうと想像されます。あと、ケトーシスダイエットもしていたので、長い間満腹感を感じていなかったというのも関係しているかもしれません。

これは、2017.12-2018.01の約二ヶ月、最初は足を床に着けることも出来ず、ずっと同じ天井ばかりみて過ごしていたしみさんぽが徐々に回復しながら記した回顧録です。


目次

  1. はじめに
  2. 自律神経失調症の疑い
  3. 幼少期の思い出
  4. どうして病院に行かないのか
  5. どうして病院へ行けと言うのか
  6. どうして灯油ストーブが嫌いなのか
  7. 過去の過ち
  8. どのように救ってもらったか
  9. ついに手に取ることになった「気」の本
  10. 「スターウォーズ」「魔女の宅急便」「ジョジョの奇妙な冒険」「ドラゴンボール」「北斗の拳」などなど。
  11.  37兆2000億個の生きる意思
  12. 他に誰がこんな旅をしているのだろうか
  13. 秒速5センンチメートルの世界
  14. おわりに


2.自律神経失調症の疑い

自律神経失調症。私の場合は副交感神経が強いもしくは、交感神経が弱い。というバランスになっているかと思われます。症状は突然現れるのですが、気絶に近い様な感じで寝入ってしまうタイプ、数秒間落ちるか落ちないかの痙攣が顔に出るタイプ、体は動かせる(ているつもりだけかも)が限りなく意識が朦朧とするタイプの3種があります。10才頃から自覚症状はありました。近所の図書館へ歩いて向かう途中、急に意識が遠のき、完全に逝ってしまうのが怖くて、繋ぎ止めるのに必死でフラフラ歩き続けたことがありました。あの体験は今でも鮮明に覚えています。周りは光り輝き天国の様なのに、全く気持ち良くない生きた心地のしない気分でした。

今回、自宅療養中に両親と食事を摂っていて、顔面の痙攣が少しだけありました。私からしたらいつものことなのですが、それを目撃した両親がたいそう案じてくれました。心配してくれるのは有難いのですが、驚いたのは「いつからそんな状態なの?」という質問を受けたことです。確かに、私はこの状態について細かな報告をしておりませんでした(それ以前に、両親との会話は限りなく最小限に近い)から、20年近くそばで暮らしていて気付かない訳ないだろう、と。少なくとも、よく寝堕ちてしまうのは知っているのです。


3.幼少期の思い出

両親(とりわけ母親)は長男である私に期待をかけて色々な課外教育に通わせたり、学習塾や家庭教師にも習わせたりしておりました。その全額は果たして幾らになるのだろうか、と考えれば恐ろしいです。もっといい使い道があったに違いない、とどうしても思ってしまいます。(ところが、親の心子知らず、なんでしょうね…)中でも積極的だったのが、野外体験をする団体のプログラムに参加することでした。小学校低学年から中高生までの幅広い子供が土日や学期間の休日に集まってキャンプをしたり海外へ行ったりもしました。

別に特記することもないのでしょうが、子供にも子供の社会がありまして、その中でも夜間活動にて中心的存在感を出す、或いはその周囲に居るということは、コミュニティ内のリレーションシップ、場合によってはヒエラルキーに多大な影響をもたらします。そのような人間関係問題を抜きにしても、そこに居るか居ないかの違いで、リアルタイムの喜怒哀楽やそれらの思い出という掛け替えのない価値あるものをどれだけ濃密に得られるかという大問題に関わってきます。

私の周りの仲間たちは、どの旅でもイベントでも、そういう絆を深め合っていました。それは今でもそうです。小学生低学年の頃行った合宿で中学生の先輩がここぞとばかりに始めた花札にどれほど興奮したことか。でも、私はすぐに寝落ちて翌朝には皆との温度差を感じるのです。好きな子も出来たりしてた学校の宿泊学習でも、寝る場所を班のメンバーで割り当てた途端にスイッチが切れました。卒業アルバムに自分の知らない「時間」の写真が並んでいた時、どれほどのショックを覚えたことか。

皆さん、それぞれ青春の思い出のシーンがあると思います。私は、友人たちのそこに登場したかったけども出来ませんでした。


4.どうして病院に行かないのか

ここまで私のワガママな御託、主張を吠えたところで、大抵の人が並べて仰るのは「病院へ行きなさい」という言葉です。私はこの「オススメ」がとても嫌いです。何故なら病院に行ったところで期待に応えてはくれないし、薬漬けにしようとしてくるし、意味分からない請求をしてくるし、要は何も期待できないからです。

「病院へ行きなさい」という人のほとんどは、「体が不調だと思ったら病院へ行く」ということが当たり前だと思っており、自身がどうしてそれが当たり前だと自分が思っているかは考えておられないように感じます。そこまで問うたことは無いので真偽は分かりませんが。後は、社会のシステム上、診断書という「免罪符」が必要だと言うのが当たり前だとお考えの方もいるでしょう。


5.どうして「病院へ行け」と言うのか

このトピックをまとめるのに、非常に時間を要してしまいました。何故なら、私の父が歯科医であったことから始まり多くの知人が医療界に属しているからです。真摯に従事なさっている心を傷付けるかもしれない、嫌われてしまうかもしれないと思うと二の足を踏んでしまいます。まぁ、それもここまで。モヤモヤしてることを晴らすのみです。異論反論あるかと存じますが、お手柔らかにお願い致します。

さて、前の節にも出てきましたが、貴方は「病院へ行きなさい」と奨める方ですか?そうだとお答えの方はどうしてそうするのですか?病院は何をしているところだと認識されてますか?医療をサービスだと思いますか?

数多いる医療従事者の方々がそれぞれ個人のレベルで患者さんと接する中で、大事にしている志や感情はフィルタリングで外しまして、医療機関がやっていることは「データ収集」と「それに伴う処置」です。決して「病気や怪我を治してくれる」訳ではありません。病気や怪我を治すのは自分の身体自身です。ここに信条や感情の話を付け加えていくと、見えてくるのが「やりがい搾取」という新しめのワードです。とても腑に落ちる。最も尊いやりがいを操り、盾にしつつ、民の不安をネタに成り立っているのが、医療界。

死生観の違いについてはどうでしょう。

一刻も早く悪性データが見つかり、クランケが無駄に終末期を迎えずに済んで嬉しいのは誰でしょう。

既に私の中にある結論の一つとして、今の社会のほぼほぼのシステムと言うか成り立ちに解せない部分が多いので、「素直に属することが出来ない」というものがあります。それを踏まえて諦めた上で、とりあえず生きているというのが毎日のモチベーションです。

感謝をしていない訳ではないんです。これまでは大変お世話になりました。ただしかし、私が気付いたのは、本来研ぎ澄ますことの出来る人間の能力を無効力化させ、「病院に行く」一択になった思考回路。その回路を作り出すことに成功し無限搾取ループに入っている体制と制度とそこにズッポリな民の生活。

人生において幸せを感じる価値観は十人十色、それぞれ違うだろうし、それだから楽しめると言えるかもしれません。が、不幸を感じる時間には恐らく全ての現代人に共通している項目があるのではないでしょうか。それは、「痛み」「違和感」です。その痛みの起源や性質にもよりますが、身体の細胞から発せられた「痛み」というSOSも受け取れないような脳になってはいないでしょうか。ただの「悪者」一択で、それが現れた瞬間、劇薬で抹殺。という発想になってはいないでしょうか。


6.どうして灯油ストーブが嫌いなのか

さて、どうして灯油ストーブが嫌いなのか、の話です。

大抵の人は、灯油ストーブが便利で当たり前で疑問に思わずにいらっしゃるのかも知れません。むしろ、嫌いという私の話が不思議でならないという見方でしょう。

しかしながら、同調してくれる方もいらっしゃるはずです。薪ストーブ愛好の方ならば。

灯油ストーブの解せないところは、

・燃料の使用量と熱効率との仕組みが分かりにくい

・上のうえにオートマチック補充請求が解せない(屋外タンク定期配達利用の場合)

・いわゆる遠赤外線効果が無い

・いわゆる燃料業界に支配されてる気がする

結論から言うと、薪など草木を燃やして暖を取りたいという事なんですが、

なぜかと言いますと、

・燃えた分の暖かさがあるのだ。あったのだ。ということが分かりやすい。

・五感六感で温まる事が出来る(パチパチする音など)。

・それに対するコストが分かりやすい。

・整ったストーブだったら調理も出来る。

あとは、生活の日々の文脈の中にしっかり組み込んでいけるか、どうか。です。

寒くない環境にいるという状況に至るまでのストーリーも全く違います。そしてそのギャップこそが、薪から灯油に灯油から薪にと憧れの対象が変遷する理由の核であります。

明らかに、灯油ストーブの方が「楽チン」です。手間と時間の価値観をどこに持ち、生活の中にどの様に組み込んでいくのか。便利さを追求していくメインストリームがある一方、不便さの中に捨ててはいけないものがあったではないだろうか。そういう直感の迷いがここにあります。基準となる価値観がそもそも違うので、どちらが良い悪いではなくて、自分がどのような軸をもってライフスタイルを築くのか。そういう問題なんですよね。


7.過去の過ち

冒頭のはじめにという節で少し出てきましたが、24、5才で痛風発作が出てからというもの、毎年のように冬になるとどこかしら足に痛みが出て動けなくなるのですが、数年前の夏、野外のフェスイベントでのスナップ撮影を夢中でやった結果、飲まず食わずで動いてしまった為に、相当体内の物質バランスが悪くなり、大変な目に遇いました。両足首から先が変色し(色の表現がうまく出来ないのですが)、何かに握り潰されたかのように変形して床に付ける事も出来なくなってしまったのです。それが最初に訪れた腎臓クライシスでした。


8.どのように救ってもらったか

私の以前まとめたエントリーをまだご覧になられてない方は、こちらを読んでいただけるとより理解のタネが増えるかと存じます。

「この宇宙と私」
https://shimisanpo.themedia.jp/posts/3499282?categoryIds=962326

上の記事には、数年前から顕著になった体の不調とオステオパシーとの出会いについてまとめてあります。

私が今こうして落ち着いてこのことについてまとめられているのは、オステオパシーの施術を受け、自らの体が治癒力をもって回復を遂げているからです。そして、今回はオステオパシーとの出会いだけでなく、さらにその真髄について知りたくなり、1冊の本を貸してもらったからなのです。それは「気」についての触りの話がいくつか紹介してある本でした。その中には、目から鱗のトピックがはじめから終わりまでびっしりと詰め込まれていました。腑に落ちたり、メイクセンスしたり本当に忙しい経験でした。


9.ついに手に取るとことになった「気」の本

貸してもらった本は『この素晴らしき「気」の世界』という「気」にまつわる人物たちのエピソード集のような本でした。「そんなまさか!」というような内容ばかりでしたが、本当にあったことらしいし、今もそれを極めている人の話を聞くし、実際私の調子を整えてくれた先生の技もあるし、入門者にはとても丁度いいものでした。特に印象に残るのは、合気道の創始者、植芝盛平氏のエピソードや開眼する為の精神在り方、捉え方に関する記述はとても参考になりました。

例えば、皆さんは神社にお参りに行った時、お賽銭を投げて手を合わせて、心の中で何と唱えていますか?「〜して下さい」とか「〜をお願いします」とか嘆願していませんか?それでは、ダメなんですって。根本的な発想の違いがそこにはあるんですね。


10.「スターウォーズ」「魔女の宅急便」「ジョジョの奇妙な冒険」「ドラゴンボール」「北斗の拳」などなど。

この「気」の世界への招待は「インターステラー」を観た(前述リンク先「この宇宙と私」に記載)辺りから不思議だなぁ、と思いつつ意識し始めました。実はNetflixに加入したことにより「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメ版を最初から観ることになりました。それもたまたま友人が「ジョジョ好きで集まって話すのが楽しい」と言うので、では一回観てみようと思った後すぐのタイミングでした。最初はそのツッコミ所満載の映像の作り方の方がつぼでそちらへ注目してしまいましたが、後半落ち着いて考えると最初から「気」を題材にしている作品なのだということに気が付きました。

名台詞「May the Force be with you(フォースと共にあらんことを)」で有名な「スターウォーズ」も「気」のことです。「ドラゴンボール」もそうです。「魔女の宅急便」も冒頭のシーンでそれを仄めかした描写があります。

いわゆるシャーマンや超能力者というのは、鍛錬と気付きがあれば能力やコツが備わり、その辺の人でもなれるのかもしれません。人間が古来の生き方をしていれば。ところが、現代は人間社会が変わってしまった。

「気」に関するスピリチュアルな事などはイロモノとして色眼鏡で見られたり、扱ったり、エンターテインメントの世界の中だけの話のように錯覚させられてしまっているのではないでしょうか。


11.37兆2000億個の生きる意志

人間の体は一説によると、37兆2000億個の細胞から出来ているらしいです。そして、その細胞一つ一つには「生きたい」という意志があるというのです。最近の研究では、臓器同士の「会話」を意味する伝達物質の発見も伝えれていますよね。私の「私」という意識、貴方の「あなた」は、その自意識によってこの身体を「コントロール」しているかと思い込んでいるかもしれませんが、もしかするとそれは全くの逆で、37兆2000億個の細胞たちが生きるために、彼らの組合によって労働させられているだけなのかもしれません。


12.他に誰がこんな旅をしているのだろうか

実際に私の症状を見ていたのは、両親とオステオパシーの先生と、無理矢理外出した時にたまたま視界に入った人ぐらいでしょうか。事情が分かっていない人には、「そういう状況の私(人間)」が目の前にいるという想定もしていないでしょうから、まず理解が出来ないのだと思います。それは仕方ないと言えば、仕方ない。前述した通り「具合の悪い人」は病院にいるものという思考回路があるからです。

当時、私は本当に特殊な状況にありました。

最も顕著にそれを痛感させられたのは、公共交通機関で移動している時間です。とにかく、「1秒コンマ1秒でも早く座りたい」と思うほど、足のスタミナは無く、同時に疲労骨折に似た痛みやリスフラン関節を捻挫した時に似た痛みが踝から足の先までガンガンあるのです。がしかし、見た目はチャラい私服のただの若い男。いわゆる「優先席」「専用席」に腰掛けるというシンプルな行動にこれほどもの環境ハラスメントが存在するのかと思い知らされました。

世の中のどれだけの事柄が「見た目」だけで判断されているのでしょう。また、その人間の生理的情報処理機能を逆手に取った手法や仕掛がどれだけ世の中を占めているのでしょうか。


13.秒速5センチメートルの世界

まだ治っていないのに、私は以前から予定していた東京での視察を強行決行しました。とにかくその頃は、すぐに横になれる環境でないと厳しい状態で、上にも挙げましたが、移動するのが兎に角困難でした。そんなに大量にモノを入れる必要は無いのに大きめなスーツケースを使い、杖代わりにしていました。(撮影の仕事のための機材のリュックが普段以上に重かった…)

一歩ずつ一歩ずつ、足を引き摺るようにというか、石橋を確かめながら歩くかの如く、毎秒5センチほどしか進めない私の孤独さは、猛烈につむじを曲げさせました。別に何かを求める訳ではないのですが、誰にも案ずる声をかけて貰えず、皆素通りするだけ。時計のネジが違う世界にいる人々はなんて冷たいのだろう、と烏滸がましい思考になるのでした。

(そしてそんな時にもドケチは健在で、タクシーには乗るもんかと意固地になっておりました)

変な汗をかきながら、痛みと闘いつつ歩いていると、余計に世の中が理不尽に見えてきます。例えば、バリアフリーの考えが生まれて地下鉄の駅各所にエレベーターが追加工事されていますが、「バリアフリーを必要とする人々の実際の導線」はどうなっているでしょうか。これはもし、貴方が比較的健康な人であれば中々理解出来ないでしょう。なぜなら「導線」はただの道のりではなく「体感」が含まれるからです。

スタスタ歩ける人の感覚で、その人が基準で設計された道。それでも使いにくいデザインであることがほとんどなのに、そこを利用する人の体に不調やハンデなどがあった場合、どれだけの圧があるだろうかということは、その環境に立ってみなければ分からないでしょう。


14.おわりに

「気」をマスターし、強大なパワーを得るには、「感謝の心」がとても大事なのだそうです。かの有名な片岡鶴太郎さんは、毎晩これまでの人生でお世話になった人、出会った人の顔と名前を思い出しつつ感謝の意をもって「ありがとう」と声に出すことを何人分もやるそうです。

人だけではありません。

自分が今ここにあることが出来るのは、自分という形を創り維持させてくれている自分の一つ一つの細胞のお陰でもあるので、自分の体の各パーツに「ありがとう」と語りかけるのも良いらしいです。

最後に、こんなに長々とお付き合い頂きありがとうございました。間飛ばしてませんか?完読してくれましたか?稚拙な文章で恐縮ですが、どうか全部読んで頂けますように。私の人生の気付きが、どなたかの助けになれば幸いです。


参考:この素晴らしき「気」の世界 


shimisanpo journal

流離の牧歌的 コミュニティオブザーバー しみお のサイト

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