いいプロジェクトの在り方
函館西部地区の遊休不動産の利活用をプロデュースする「箱バル不動産」さんのイベントに参加してきた時の話です。詳しくは下のリンク先を御覧下さい。
私が参加したのは、こちらのイベント。フラッと函館に現れて箱バルのメンバーと出会い、ドタバタ突貫で始めたカフェ運営についてのお話でした。
のぶさんは、まずお話の前に「貴方の貴重なお時間と大事な1000円を使ってお越し頂きありがとうございました」と仰いました。ある意味、もうこれだけでこの日のお話は充分。のぶさんは、感謝を忘れず大事にしたことで今があるのだと物語っていました。
カフェでは、目の前の様々なお客さんに対して、それぞれどのようにアプローチしたら満足してもらえて、「また来たい」と思ってもらえるか、を常に考えているそうです。気が抜けないお仕事ですね。かと言って、気を張っていてもいけない。
このイベントにも、お店の常連さんが何人もいらしてたみたいです。
さて、私が今回考えたいのは、こんなのぶさんを柔軟に受け入れ、成功の後押しをした「箱バル不動産」というチームの存在についてです。
ぶっちゃけ、「遊休不動産をどうにかしたい」と思う人はいくらでもいる訳です。よく短絡的な発想をする人は、「思っているなら貴方がやればいい」ということをすぐ口走ってしまいますよね。それやめませんか?そうではないんですよ。という話です。物事(プロジェクト)をしっかり進めるには、適材適所が必須であって、その適所に置かれた適材がベストな巡り合わせでチームを組めた時に、ちゃんと動き出すのです。繰り返しになりますが、困ってしまうのは、「志ない人」が、「志ある人」と「志ない人」で勝手にセグメントして私には志がないから、志ある人がやればいいと投げやりに全て押し付けることです。大事なのは、「志ある人」の中に適材適所があるということで、志があるというのは、ただの大大大前提なのです。
社会のあらゆる夢や課題に対して「やってやる」「なんとかしたい」と思っている人は溢れていると思います。
きっとそれは、大方のことが叶ってしまうことなんだと思います。
但し、適切な人員配置がなされれば。
その観点で、「箱バル不動産」はミラクルでした。
地元でコツコツと営業し人気を集めていたパン屋さんの淳さん。そこにタイミングよく集まった宅建士の蒲生さんと建築家の蒲生さん。そして特別な例かもしれませんが、街の窓口となる淳さんの所に飛び込んで来たのぶさん。もっと言えば、ネーミングの元にもなっている、「バル街」というサーキットはしご酒イベントを10年続けて土壌を作っている西部地区の皆さん。
無論、皆さん弛まぬ労力を注いだ結果にあるこれまでの実績ですが、そのプロジェクトを生んだり継続させるのに必要な座組みがとても上手くいったケースなんだと思います。各々の街や人、遊休不動産に対する思い、各々のスキルと立ち位置(生活軸)、出会うタイミング、周辺理解...次々に挙げていっても全て◎です。
何と言っても、ストーリーが面白い。
tomboloというパン屋さんをやってる淳さんは、幼い頃から独立起業心が強い人物だったらしく、10代前半の頃に自分が好きで集めたフィギュアなどをフリーマーケットにて出品していたそうです。「自分が買った値段よりも高く売れる」ことが面白いと思ったと仰ってました。
そして、そのフリーマーケットにお客さんとして来ていた同い年の少年が蒲生さん。違う学校に通う二人の接点は、その日の対面だけだったそうです。
時が経ち、それぞれの道を歩み、再び淳さんのお店にやって来た蒲生さんは、その日のことを忘れていませんでした。もちろん、淳さんも。
もしかしたら、20年前から「箱バル不動産」は産まれていたのかもしれませんね。
プロジェクトマネジメントは奥深く難しい。
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