インバウンドについて考えた結果「ファミリー経営」に辿り着いた

マインドシフトを促そうとしてきたら、自分がマインドシフトした

 これまで、色々な形で旅行をしてきて私が考えたり感じたりするのは旅行ビジネスのことであったり、「インバウンド」と聞かされ意味も分からず言わされしている地元民のはたらきや営み方なのです。最近、その積み重ねによる思考の紡ぎ方が変わってきました。

 端的に言うと、「なんでもっと広い世界を見に行かないんだよ!」という閉鎖的な環境に対する開国のススメ的な思いが強かったのが、少し弱まった感じです。私は北海道に住んでいるので、時代の流れが遅れてやってくるというか、「イノベーション=自身の危機」だと捉える人が多いなと感じることがしばしばあります。もう、そういう人達を変えようとか、変われば良いのにとモヤモヤするのを止めれば良いのだと、気が付きました。


見知らぬ土地に来る人とその地を知り尽くした人が出会うこと

 インバウンド、アウトバウンド、旅、旅行、観光などなど、呼称は様々ありますが、shimisanpo的辞書には、どの項目にも「見知らぬ土地に来る人とその地を知り尽くした人が出会うこと」と記されることでしょう。

 人の往き交いには、これという決まりはありませんが、多くの場合発生するのが、「見知らぬ土地に来る人とその地を知り尽くした人が出会うこと」です。そしてそれが発生することを前提とし、それを目的の一つにしているのが、「現代の旅行客」です。それが醍醐味だという事を知らない人は覚えておかないとなりません。


SNSによって開かれる世界

 今の社会にとって切っても切れない程の存在になっているSNS。その最大の特徴の一つは、「共有する」という概念です。文字だけでなく、写真、音声、動画などなど、知人の一次情報のみならず、2次以降の情報も次々と流れ込んできます。その情報洪水の中から有益な情報を取捨選択するのもスキルの一つですが、近頃は、より精密にコントロールされた情報が流れてくるようになりました。エンドユーザの欲しがっている(であろう)情報が交通整理されてデバイスに流れてきています。リアルな人間関係、興味から起きる行動がバーチャルな世界に反映されるのですが、これにより、私は毎日のように世界旅行をしている気分になっています。そして、直ぐにでも飛び立ちたいと思っています。

 このことから察するに、これからの世の中、何かに関心を示せば、高速でその道にリードされ、深めていけるのです。世界のことを知りたいと思えば、2次以降の情報であれば幾らでも得ることが出来ます。


世界の観光産業の在り方と日本というガラパゴス的文化を持つ国のやり方

 さて、いよいよ本題ですが、自身が実際にひとまず簡単に世界に旅行に出てみて得たことと、似たような関心を持つ友人がシェアしてくれた情報とを照らし合わせて見えてきた、観光業と地元民生活の有り様を外と内で簡単に比較してみたいと思います。

 日本は、クローズドマインドで自分のことしか考えないビジネス。「自分が儲ける側」の視点しかない印象。東南アジア〜インドのリゾート地では、入って来る前の下拵えも用意してあり寄って来たらぶら下がりマーキングすると知り合いにパスパスパス。外から来る客に備え、効率よく対処する印象。

 きっと、結局私も日本的な思考で日本の事を考えていたのでしょう。危機意識を各々の事業者が持って、他言語を習得し各々でホスピタリティのスキルを上げていくべきだと考えておりました。ところが、英語だけでも使えるようになろうとする人と、しない人の差は開くばかり。世界の数カ国を回ってみて、実感しました。日本語だけで充分暮らせてきた危機感の無い人達には、そもそも無理な動機付けなのだ、と。

 一方、武力により侵攻される歴史を繰り返してきた地域の人たちは、半ば強制的に多言語を扱う習慣があり、外からやって来る人々との接触に対して「必死に考える」事をしています。笑顔で相手の地元の言語をワンフレーズ使ってコミュニケーションを取ってきます。商売人だから当たり前と言ってしまえばそれまでですが、逆に言えば、商売努力不足だとそのままこちらに跳ね返って来るだけです。それに、諸外国にだって言語が使えなかったり、積極的にコミュニケーションを取ることが出来なかったり、むしろ煙たい顔をする人だっています。がしかし、そこに肝があります。そういう人達もまとめて「ファミリー」としてベルトコンベアー式観光ビジネスコンビナートに参画させているのです。外国人と渉外する能力のある人々がリーダーシップもイニシアティブも取って。


これからもこの列島に住み続ける場合に考えておきたいこと

 今や、60億人総大航海時代と言っても過言では無いのは、上で述べた内容から分かってもらえると思います。「生まれてこの方旅行なんてしたことない」という人も、実は航海してるのです。(↓↓↓ これについては下のnoteをご一読ください ↓↓↓)

 ポイントは、「今立っている場所の素晴らしさにハッと出来るか出来ないか」です。その感動を伝えたいと思い、綴ることが出来れば誰もがマルコポーロ。とんでもない発見をしてしまったらコロンブスなのです。また、自分自身が浪漫紀行を書けなくとも、誰が素敵な航海日誌を世界へ公開しているのかを察知するということもとても重要です。

 そして、その天国からのベストセラーならぬベストエンゲージで伝わった秘境を求めて地球の裏側から冒険者達が並並ならぬ期待を胸にやってきます。

 さて、それを市場も世界から見放され、経済も騙し騙し破綻しているまま進み続け、成長したインフラも自然に風化され、文化を継承する気も無く、かと言ってイノベーションもレボリューションも無い。そんな日本でどのように迎えたら良いでしょう。

 答えは簡単「おもてなし」です。「いらっしゃいませ」と玄関で待っているのがおもてなしだと勘違いしてはいけないです。「おもてなし」は徹底的な情報コントロール、エクスペリエンスコントロールを意味しています。来訪者が来訪者と成る前の餌撒きからおもてなしは始まっています。

 結論としてましては、来訪者が家を出る前から、帰った後までの「ご案内」をする役を誰がイニシアチブをもって仕切るのか。宿屋の主人なのか、WEBサイトの管理者なのか、観光タクシーの運転手なのか、はたまた役所のトップなのか。

 友人の体験談によれば、インドでは、ホテルのオーナーが徹底的に「自分の客」に対して責任をもって手配のサポートをしてくれるそうです。友人は「マガイモノ」に騙されてしまいオーナーはそのハイエナ業者に対して大変激怒した様子を見せたそうです。

 私の体験によると、ブッキング代理をしているWEB業者を通してフィリピンのツアーを予約したら、現地では「聞いてない」「なんだそんな予定だったのか。もっといい方法あったのに」と言われ土壇場で錯綜し相当ザワつきました。

 つまり、私がイニシアチブをもって仕切ると言っている内容とは、ゲストの滞在を多元的に管理し、行動意欲を操作し、ファミリー事業者間で満足感をもってパス交換しながら、「最高の経験をした時間だった」という感想をお土産にして帰ってもらうということです。

 もしかしたら、観光バスツアーがこれに近いのかもしれませんね。ただ、店舗を転々と回るものが多い印象です。都度各場所でショッピングするスタイルだけでは無くて、ツアー料に諸々含んでいて、地元の人間しか知らない秘境でゆったり時間を過ごしながら、地産地消の手料理を食べられるなんていう「プライスレスなエクスペリエンス」を商品にするといいかもしれません。


まとめるとAirbnbは最高。

 駄長文にお付き合い下さりありがとうございました。私の主張は貴方の腑に落ちてくれたでしょうか。

 今現在北海道では4件しか登録がありませんが、TABICAという素人でも出来るセミプロガイドツアーのプラットフォームサービスサイト(ツアー参加希望者とのマッチングサイト)なんていうのも出てきております。

 まずは、地元に精通すること。

 Airbnbと聞くと、民泊というワードが浮かぶでしょうか。民泊の話題が「ゲストを泊めると問題が起きる」という内容ばかりでネガティブな印象を植え付けられた人も少なくないかと思います。Airbnbによってゲストとしてもホストとしても最高な経験をした身としては、これは本当に残念なことです。

 なぜ、私のところに、あんなにも素晴らしいゲストのみんなが集まってくれたのか。

 それは、私の顔写真と言葉で「地元に精通していそうな人が迎えてくれる」ということがピンときたからではないでしょうか。家を出る前に、最高なエクスペリエンスを手繰りよせることが出来るからです。これは、私がゲストとしてもAirbnbを利用しているから分かるのです。

 部屋という空間にしかフォーカスしていない人も確かにいます。「この部屋に対して幾ら」という天秤での価値観でしか見ていない人と混ぜて民泊や観光を考えてしまうと、全く豊かにならないので、今すぐやめましょうというのが、私の考えです。

 皆さんは、どんな旅話をお持ちですか?ぜひ旅談義しましょう!


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